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緩和ケアで変わる町<4>老人ホーム全体でみとる

緩和ケアの普及・向上策を研究する国の地域研究「庄内プロジェクト」では、施設に入所する人のみとりについても支援した。

 山形県鶴岡市の有料老人ホーム「あっとほーむキャット」に入所していた佐藤文(ふみ)さん(当時88歳)は、2009年12月、右脇腹などの痛みを訴えた。

 鎮痛剤で治まらず、同市立荘内病院に入院。CT(コンピューター断層撮影)などの詳しい検査で、原因は肝臓や大腸にできた多発がんであることが分かった。親族には「余命は1か月」と説明された。

 以前から病院と親族との話し合いで、がんが見つかっても積極的な治療は行わず、緩和ケアで苦痛を取り除く方針を決めていた。佐藤さんは症状が落ち着くと、見舞いに来たホーム職員に「帰りたい」と訴えた。

 佐藤さんは入所者や職員たちとの暮らしになじんでいた。近くに住む三男家族も義理の父の介護が必要で、ホームへの再入所を望んでいた。

 有料老人ホーム、特別養護老人ホームなどの施設は主に介護職で運営されており、がんの痛みがある入所者のケアの経験は少ない。

 施設長の曽川まゆ美さんがホームを運営する会社代表の柏倉二三子さんに相談したところ、「ホームはついの住み家。受け入れましょう」と返事を得た。

 曽川さんは、嘱託医の石橋学さん(石橋内科胃腸科医院)と荘内病院緩和ケアチームの医師、和泉典子さんに協力をお願いした。

 実は石橋さんも、庄内プロジェクト以前、医療用麻薬を使うことがほとんどなかった。「緩和ケアで分からないことは、全て病院の緩和ケアチームに尋ねた。メールの相談も参考になった」と話す。最期が近づくと、和泉さんもホームにかけつけ、石橋さんと一緒に診療した。

 一方、ホームの職員らはみとりの経験がない人がほとんど。それでも、佐藤さんの言葉に熱心に耳を傾けたり、「よく頑張ったね」と声をかけたりした。

 10年4月、佐藤さんはホームで息を引き取った。ベッドを取り囲んだ職員らは、口々に「ふみさん!」と大きな声で名前を呼び、見送ったという。

 約1か月後、和泉さんの提案で、ホームの職員同士で佐藤さんのケアについて振り返り、話し合った。

 職員らは、内心は不安だったことを打ち明けたが、和泉さんは「死に行く入所者や家族の気持ちに寄り添った言葉をかけていた」と評価する。

 親族の女性は今、「ホーム全体でみとってくれた」と感謝している。
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